GLOSSARY用語集

あ行

  • 雨樋(あまどい)

     

    屋根面を流れる雨水を地上や下水に導くための溝形や管状の部材の事を言います。

    言い換えれば、雨水の道であり、横方向に流す軒樋(のきどい)、谷樋(たにどい)、縦方向に導くための竪樋(たてどい)、横樋(よこどい)と竪樋をつなぐ呼樋(よびどい)などがあります。この雨樋が設置されていなかったり、途中で途切れていたりすると、建物の雨漏れに繋がる可能性もあります。

  • アール

    アールを付ける…などと使います。円の半径を表す記号「r」に由来して、曲面や曲線を付けることを言います。

  • RC造(鉄筋コンクリート造)

    鉄筋コンクリート構造の事を言います。マンションなどの高層建物だけではありませんが、比較的マンションなどの建築物の構造によく見られます。「Reinforced Concrete」の頭文字を取ったものです。

    鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のことを言います。鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となります。尚、全ての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は「剛」であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が重く大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないという点があります。

  • 石綿(アスベスト)

    蛇紋石・角閃石など繊維状ケイ酸塩鉱物の総称です。繊維質であるため紡績することができます。また、耐久力があり、溶融点が1,300度程度と高く、熱絶縁性が大きく、耐薬品性も大きいなど、安価で優れた性質を持つため、過去に様々な用途に使用されてきました。建築素材としても、断熱材、保温材、耐火材として大量に使用されてきました。しかし、石綿(アスベスト)の繊維を肺に吸入すると、肺がんや中皮腫の原因となることが判明してから、1975年にはアスベストの吹き付け使用が禁止され、以後、段階的に使用の規制が強化され、2006年には全面的に輸入・製造・使用等が禁止されました。

    アスベストが使用されている建物の解体などの際には、使用されていたアスベストが飛散するなどの恐れがあり、それに伴う健康被害を予防するため、作業方法などについて一定の基準が厳しく定められております。

    【産廃知識 石綿(アスベスト):日本産業廃棄物処理振興センター】

    https://www.jwnet.or.jp/waste/knowledge/sekimen/index.html

  • イニシャルコスト

    いわゆる「初期費用」の事を言い、一般的には、収益を得る前にその準備のために必要な費用の事を指し示します。尚、その後、それぞれの運営に要する費用を「ランニングコスト」と言います。

    貸倉庫などの賃貸物件を借りる場合のイニシャルコストとしては、保証金・入居前工事費用・仲介手数料などがその意味を成します。それ以外としては、建物の建築、機械設備の導入などを行なう際に言われます。

    貸倉庫などの賃貸物件を利用している際のランニングコストとしては、賃料・共益費など一般的に月々支払いが必要となる費用を言います。

    どちらも費用が掛からない事がベストではありますが、そのような事になり得る事は有りませんので、事業内容などにより、どちらを重要視するのかを明確にするのが不動産業界としては最初に必要な判断となります。

  • 委任状

    一定の事項・内容を特定者に委任する旨を記載した書面を指し示します。委任する事項(委任事項)、委任する相手(受任者名)などを記載する必要があります。

    委任状がなくても委任契約は有効ですが、受任者が委任事項(例えば各種の申請手続)を実施する場合には、委任状の提示を求められることがあります。その場合、委任状の発行が直近(通例は3ヵ月以内)でなければならないとされることが多いです。

    委任状には、委任の意思を表示する為に委任者が自署しなければなりません。尚、委任する内容には多くの場合に代理権の授与を伴いますが、その際、委任状はその証拠となります。

    売買などの場合であれば、売主から委任を受けて、固定資産税など課税対象物の公的書類を役所等で入手する際に利用したり、公正証書を作成する時、両者から委任を受けて公証役場にて作成したりする際に委任状を利用したりします。

  • 居抜き

    貸店舗や貸工場などを、その内部の商品、設備、什器備品などを設置したままの状態で売買・賃貸することを言います。従って、居抜きで購入、賃借した場合は、以前のままの内装や設備等が付帯するので、比較的早い段階で操業を行なう事が出来ます。しかし、ほとんどの内装・設備等については、前入居者等の所有設備を利用する事になりますので、設備不良などの指摘を貸主に申立てする事が出来ません。

    (残っている内装や設備が残置物という扱いになります。)

    尚、この場合、気を付けないといけないのが、退去時の原状回復を何処まで行わなければならないのかという点です。

  • 印鑑証明書

    捺印された印影(印を紙などに押した跡のかたち)が、あらかじめ届けられた印影(印鑑)と同一であることを証明する官公署の書面です。

    公正証書の作成、不動産登記、その他重要な不動産契約などの際に、文書作成者が本人・法人であることを証明するため必要とされる場合が多いです。

    印鑑届けをした印影を生む印が「実印」であり、貸倉庫などの事業用不動産賃貸借契約等の場合も、実印での捺印契約になる事が多々ありますので、その際に印鑑証明書の提出が必要になったりします。

  • 売渡証書

    不動産売買契約の内容を簡潔に要約した書面のことを「売渡証書」と言います。

    売渡証書には、売主又は買主からの依頼により、登記手続きを担当する司法書士が不動産売買契約書をもとにして作成するのが一般的ではあります。

    売渡証書の記載内容は「売主の住所氏名」「買主の住所氏名」「売買される不動産の概要」です。

    この売渡証書は「所有権移転登記の原因を証する書面」として、所有権移転登記を申請する際に、登記所に提出されます。

  • 売渡承諾書

    不動産売買において、当該物件を売り渡す意思があることを表明する書面で、売主が買受希望者に対して交付する書面であり、売渡価格や売渡条件等が記載されています。

    売渡承諾書は、原則として、契約締結が可能である旨を表明するものであって、契約に至る過程で交わされる確認等のための文書に過ぎず、この書面を交付しても契約の申し込みや承諾の効果はないとされています。

    しかしながら、売渡承諾書の交付によって両者に一定の信頼関係が形成されることとなるので、売渡承諾書を交付したにもかかわらず合理性に欠ける理由などで契約締結に至らなかった場合には、信義則に反するとされることがあります。

  • 上物

    土地の上に建物が存在しているとき、この建物を「上物」と呼びます。特に、売買・賃貸における不動産広告においては、土地の上に家屋・建物が存在する場合について「上物あり」と表現することがあります。

    この場合「上物」の価値・評価が低く見られているケースが多いです。

  • ALC(エーエルシー)

    ALCとは、軽量気泡コンクリートの事を言います。マンションや貸ビルなどの建物を施工しやすく、断熱性・耐火性にも優れていると言われています。貸倉庫・貸工場・戸建住宅・マンション・貸ビルなどの様々な外壁や間仕切り壁に利用されています。

  • A工事・B工事・C工事

    A工事

    所有者 貸主指定の工事業者及び費用負担も所有者・貸主となります。主に貸ビル側の責任において行わないといけない工事です。例えば、事務所の貸室内における標準装備となる設備などとなります。

    B工事

    所有者・貸主指定の工事業者で費用負担は入居者・借主となります。主に入居者の希望により貸ビル内における標準装備となる設備の変更などとなります。

    C工事

    指定の工事業者ではないので、工事業者選定も費用負担も入居者・借主となります。主に貸室内における間仕切壁などとなります。

  • S造(鉄骨造)

    鉄骨造の事を言います。階数が低い建物だけではありませんが、非常に多数の物件に使用されています。木造の次に安価です。

  • FRP(エフアールピー)

    プラスチックを繊維によって強化した複合材料です。「強化プラスチック」とも言います。

    軽量で加工し易いプラスチックの性質と強度・弾性度が高い繊維の性質を組み合わせた材料であり、安価・軽量で耐久性があり、成型等の加工が比較的容易なため、建築材、設備材料などとして使われる事が多いです。

    強化材として使われる繊維は、ガラス繊維、炭素繊維などがあります。

  • MDF(エムディーエフ)

    貸倉庫・貸ビル・貸事務所の共用部にある「本配線盤」の事を言います。光回線など通信配線を多く引きこむ貸ビルやマンションに設置され、建物内に引き込まれた配線の最初の配電盤となります。主に建物の1階共用部に設置されていることが多いですが、他の入居者の配線もある為、ほぼ施錠されています。賃貸借契約が締結されたのち、入居前の電話工事などの際は、貸主・管理会社に解錠の手続きが必要なので注意する必要があります。

  • LED照明

    発光ダイオード(LED)を光源とする照明器具の総称です。

    LEDは発光方法の特質から、白熱電球に比べてエネルギー効率が高く耐久性に優れるとされ、普及率は高くなっておりますが、未だ高価であります。しかし、耐久性が優れているという点から、管球の交換時期が長い事と電気使用量が少ない為、ランニングコストはかなり軽減できるのが特徴です。

    特に、天井高が高い場所に設置されている照明器具などの場合は、管球の交換にも難がありますので、早い段階でLED照明に変更されるケースもあります。

  • LGS(軽量鉄骨)

    LGSとは軽量鉄骨の事を言います。例えば、間仕切壁を造作する際に、貸室内の躯体壁と同様に見せる為、このLGSにて間仕切壁の骨組みを作り、その両面に前述で記載したプラスターボードを貼り付け、間仕切壁を作ります。LGSの特徴としては、ある程度どのような場所でも、元々あった壁のように作る事が出来ます。あと、LGSの両面にプラスターボードを貼り付けるのですが、その間にはグラスウールと呼ばれる断熱材や遮音材を敷き詰めたり、電源コンセントやスイッチなどを仕込んでしまう事が出来ます。スチールパーテーションと比較される事が多いですが、仕上がりが綺麗に行えるのは、このLGSから作る壁になるかと思います。デメリットとしては、一度造作したLGSでの壁は移設する事が出来ません。異なった場所に造作する際は、取り壊す事しか出来ないのが最大のデメリットです。

     

  • LPガス

    可燃性炭化水素を圧縮し液化した燃料です。日本では「液化石油ガス」と訳され、「プロパンガス」も同じ意味で使われております。

    主成分は、石油から精製されるプロパン(構造式 CH3-CH2-CH3)またはブタン(構造式 CH3-CH2-CH2-CH3)で、常圧常温で容易に気化し、燃焼時の発熱量が大きいです。本来、無色無臭であるが、安全性を保つ為に微量の硫黄系化合物で着臭されていて、液体のままボンベに充填して運搬・供給されます。

  • OAフロア

    フリーアクセスフロアとも言います。貸倉庫兼事務所の事務所区画や貸ビルの貸室内の床が二重構造になっており、電源や通信ケーブルを床のどこからでも取り出せる床構造の事を言います。貸事務所のスペースが小規模で広くない場合は、あまり重宝・重要視されませんが、面積が30坪などを超えるスペースの場合は非常に重宝されます。

  • オーナーチェンジ

    賃貸物件の所有者が、賃借人が入居・利用したままの状態で、その土地・建物を売却することを言います。

    購入者(買受人)は新たに賃借人を見つける必要がなく、投資用物件の際によく使われる内容です。

    その際に、賃借人から預かっている保証金・敷金の引渡しや建物の管理ルールの引継ぎなどに注意が必要です。

    尚、任意売却の状態であれば、賃借人の賃借権が保護される事になりますので、不利益になるケースはほとんどありませんが、競売の場合は、賃借人の賃借権が保護されませんので、買受人の意思により一定の期間を設けて退去を求められる事もあります。

  • 屋上防水工事

    建物屋上の雨漏りを防ぐ工事を言います。

    屋上防水工事の施工方法には、大きく3つの方法があります。

    ①防水塗料を塗る方法(塗膜防水):ウレタン防水、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)防水

    ②防水シートを貼る方法(シート防水):ゴムシート防水、塩化ビニールシート防水

    ③アスファルトを含んだ不燃布等を重ねあわせて接着する方法(アスファルト防水)

    防水方法は、屋根の形状・サイズや施工条件に応じて選択する事になります。

  • 汚染土壌の掘削による土壌汚染の除去

    汚染土壌について、地下水汚染を経由した健康被害の恐れがある場合、または土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つです。

    汚染土壌を掘削し、その場所に掘削した汚染土壌以外の汚染されていない土壌を埋め戻す事になります。また、掘削した汚染土壌から特定有害物質を除去した土壌を埋め戻してもよいとされています。

    【土壌汚染対策法ガイドライン:環境省】

    https://www.env.go.jp/water/dojo/gl-man.html

  • 親子扉

    広いドアと狭いドアの二面で構成されている両開きのドアの事です。通常、狭いドア(子ドア)を閉めたままにして、広いドア(親ドア)のみを使って出入りし、必要に応じて子ドアも開放して広い間口とすることができます。

    尚、形が親子扉に似ておりますが、子ドア側が開かないように固定したドアを「袖付」という事があります。

か行

  • カーテンウォール

    高層ビルや高層マンションにおいて、建築物自身の軽量化を実現し、地震の際にガラスが飛散することを防止するために開発された非常に軽量な外壁の事を言います。

    通常の高層建築では鉄骨鉄筋コンクリート構造を採用し、外壁が荷重を支え、かつ地震力や風圧力に対抗する役割を有しておりますが、高層化がどんどん進むと、外壁自体の重さが問題となりました。また高層建築で柔構造(地震の揺れに抵抗せずにしなって地震力を吸収するような建築構造)が採用されると、地震の際に壁面の変形によりガラスが飛散することが問題となりました。

    これらの問題を解消するために、建築物の主要構造を柱と梁とし、外壁は構造体に張り架けただけのものとし、外壁をウロコ状に配置して建物のしなりによる歪みの影響をごく最小限に小さくするという工法が開発されました。

    この工法による外壁のことをカーテンウォールと呼びます。

    またカーテンウォールを採用すると、外壁施工の際に建物外部に足場を組む必要がないため、非常に施工しやすいという長所もあります。

  • 外構

    敷地内であり、建物の外に設ける工作物の事を言います。

    アスファルト、門、塀・垣根、庭木などが該当し、敷地の境界を形づくるとともに、建物の壁面などと一体となって敷地の景観や雰囲気を形成する箇所となります。専門用語的には「エクステリア」とも言います。

  • 外壁塗装

    建物の外壁を保護するための塗装です。外壁は、雨、大気浮遊物、紫外線などに曝されることによって劣化しますが、その進行を抑える役割を果たしてくれます。しかし、外壁塗装は、塗った塗料そのものが劣化するため、適時に再塗装する必要があります。一般的には、外壁塗装だけでは無く、屋上防水工事なども一緒に施工する事が多いです。

    外壁塗装は、どうしても高所作業車だけでは施工する事が困難になりますので、足場を用意する必要があります。

  • 解約予告期間

    土地・建物賃貸借契約を解約するときの予告期間を指し示します。マンションや貸家などは一般的に1ヶ月前予告ではありますが、貸倉庫・オフィス・貸事務所の場合、解約月の3~6ヶ月前に書面によって予告することで解約する事が出来ます。この期間設定は、土地・建物賃貸借契約前に貸主・借主協議し合意の上設定されます。原則として、この解約予告期間が変更される事はありません。借主の希望により即時解約を行なう場合は、その解約予告期間分の賃料を貸主へ全納する事によって即時解約を貸主が承認するケースもあります。

  • 火災保険

    火災による損害を補填するための保険です。

    火災保険契約を締結すれば、住宅、家財、店舗、倉庫、工場、事業用資機材等が火災によって消失、損傷した場合に、生じた損害に対して保険金が支払われることになります。

    一般的には、火災のほか、落雷、爆発、風災などによる損害についても補填するようになされている火災保険が多いですが、地震によって発生する火災の損害は、火災保険ではなく地震保険(火災保険に付帯されることもある)によって補填される事になりますので、保険の種類が異なる事があります。

    尚、貸倉庫などの事業用不動産物件についての火災保険には、大きく分けて2種類あります。

    賃貸人(貸主)が加入する火災保険は、上記内容に伴う事柄を指し示しますが、賃借人(借主)が加入する火災保険は一般的に内容が借家人賠償保険及び什器備品設備に対する火災保険となります。

    賃借人は入居中、自らの責で火災を引き起こしてしまい、建物などに損害を与えてしまった場合や賃借人の什器備品設備に対する保険となります。

    (賃貸人の火災保険には、入居者の什器備品設備まで補填するという事になっておりません。)

  • 瑕疵担保責任

    不動産の売買契約や請負契約の履行において、引き渡された目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合に、売主・請負人が買主・注文者に対して負うこととなる責任です。債務不履行により生じる責任のひとつあります。

    瑕疵担保責任を負わせるためには、買主・注文者は、売主・請負人に対して、履行の追完請求(補修等の実施請求)、代金の減額請求、報酬の減額請求、損害賠償請求、又は契約解除権の行使を行なわなければならない。

  • 貸主

    不動産賃貸借契約において、不動産を貸す側の個人(または法人)を「貸主」(賃貸人)と言います。

    不動産の取引においては、取引態様の一つとして「貸主」という用語が使用されます。

    この取引態様としての「貸主」とは、「賃貸される不動産の所有者」または「不動産を転貸する権限を有する者」(サブリース事業主)のことであります。

    貸主は宅地建物取引業免許を取得している場合もあれば、そうでない場合もあります。尚、民法・宅建業法上、土地・建物などの不動産物件を賃貸することのみを「業」として行なう場合には、宅地建物取引業の免許を取得する必要は有りません。(いわゆる貸主業)

  • 瑕疵物件

    不動産売買などの取引対象となった当事者の予想していない物理的・法律的な欠陥(瑕疵)があったときの、当該不動産を言います。

    例えば、土壌の汚染、耐震強度不足などの発見は瑕疵と判断される事があります。尚、不動産売買契約締結時に発見できなかった瑕疵が一定期間内に見つかった場合には、買主は契約の解除または損害賠償の請求をすることができます。

    その他内容ではありますが、「心理的瑕疵」と呼ばれる物件もあります。実際に建物などに汚染や耐震強度などの物理的瑕疵が発生していなくとも、その物件内で事故が起こり死傷者が発生してしまったなどの際に「心理的瑕疵」を指し示す場合があります。

    ※例とすれば、人の自然死に対するものでは無く、自殺・他殺・事故死などが主に言われます。

  • 壁芯計算

    壁は構造上、建物によって壁の状態が異なりますが、壁の幅の中心線から面積を計算するものであり、通常一般的に建物賃貸借契約面積は壁芯で計算される事が多いです。実寸面積は、壁や柱の内側を測る内法面積と言います。前述のネット面積の説明に近い内容でありますが、貸倉庫内や貸室内の実効面積に使われる事が多いです。

  • 元金均等返済

    金融機関などから借入した元金を毎期均等に返済する方法です。毎期の支払金額は、返済する元金に借入金残高に係る利息が加わることから、支払期が早いほど多く、遅くなるに従って少なくなるという返済方法です。

    元金均等返済に対して、毎期の支払金額が均等になるよう元金返済額を調整した方法が「元利均等返済」です。

    支払わなければならない利息総額は、「元金均等返済元利均等返済よりも少なくなります。」

  • 管理会社

    不動産所有者からの委託により、その所有する不動産物件等の管理業務を行なう企業の事を言います。

    管理業務の内容は、建物設備の保守・点検、防火・警備体制、賃料や共益費の徴収、その他諸料金の支払いなど(経理事務)、入居者募集、賃料の改定、修繕計画の立案などがあります。このように幅広い業務があり、そのための専門的な技術も多様であることから、その一部を受託することが多いです。

    尚、管理会社は、管理の対象となる不動産物件の性質・性格に応じて、マンション管理業、ビルメンテナンス管理業、賃貸住宅管理業などに大別される事が多いです。一般的には、不動産所有者から委託を受けて行なう管理会社ですので、その不動産所有者は毎月一定額の管理料を支払う事になります。

  • 元利均等返済

    金融機関などから借入金を毎返済期に同額で返済する方法です。

    主にマンション・戸建住宅購入時の住宅ローンの返済において広く使われている返済方法です。

    借入金完済するまでの各返済期毎に、返済する元金と支払う利息の合計額が一定となるように、元金の返済額を漸増するよう設定します。これに対して、各返済期毎に元金を均等に返済することとし、残っている元金に対する利息を加えて支払う方法が「元金均等返済」です。

    元金均等返済に比べて、借入金完済までに支払う利息の総額が多くなりますが、一方で元金均等返済では、早い返済期であるほど支払うべき利息が多くなってしまうため、元金を加えた支払額も早期ほど多くなってしまいます。

  • 機械式駐車場

    車両をパレット式の機械等で移動して立体的に駐車する設備の事を言います。

    タワーパーキングと呼ばれるように、その建物内に対し高密度に駐車することが可能であったり、駐車スペース(パレット)は風雨にさらされにくいなどのメリットがある一方、車両の出し入れにどうしても時間を要してしまう、設備維持のためのメンテナンス費用負担がかかる、停電などの障害時には車両の出し入れなど利用できないなどの問題点もあります。また、マンションなどの敷地内に設置される機械式駐車場は、地下1階から地上3階建ぐらいまでのものもあります。

    尚、昨今の車の車高標準が高い設定になっているケースもあり、古くからある機械式駐車場には車高の問題から利用できないケースもあります。

    (多くのタワー機械式駐車場の車高制限は、1550㎜までとなっている事が多いです。)

  • 基準階

    貸ビル・貸事務所などの建物の標準的なフロアの事を言います。多くの建物は、1階を除く2階以上の空中階を指し示す事が多いです。但し、2階以上の空中階でも、フロアのサイズが異なったり、用途が異なる場合は、基準階とは言われません。

  • 既存不適格建築物

    事実上、現建築基準法に違反しているが、特例により違法建築ではないとされている建築物の事を言います。

    建築基準法3条2項では、建築基準法および施行令等が施行された時点において、既に存在していた建築物等や、その時点ですでに工事中であった建築物等については、建築基準法および施行令等の規定に適合しない部分を持っていたとしても、これを違法建築としないという特例を設けております。

    この規定により、事実上違法な状態であっても、法律的には違法でない建築物のことを「既存不適格建築物」と呼びます。なお既存不適格建築物は、それを将来建て替えようとする際には、違法な部分を是正する必要があります。

    また、建築基準法10条では、特定行政庁は、既存不適格建築物であっても、それが著しく保安上危険であり、または著しく衛生上有害であると認められる場合には、相当の猶予期限を設けて、所有者等に建築物の除却等を命令することができるとされております。この規定により特定行政庁の権限において、著しく老朽化した既存不適格建築物を撤去すること等が可能となっております。

  • CAD(キャド)

    専用のコンピューターソフトであり、建築の設計図面などを制作する際のソフトです。

    建築の設計、複雑な機械のデザインなど、さまざまな分野で幅広く使われております。紙面に描いたり模型を実際に製作するよりも設計作業を容易に進めることができるほか、データの共有・管理の便に優れています。

  • 共益費

    賃貸集合住宅の入居者や貸事務所ビルのテナント(入居者)が、建物の賃料とは別に負担する費用を指し示します。

    この共益費は、建物全体又は共有部の清掃や設備補修、警備等の費用、建物の共用部分に関する付加使用料(エレベーター点検やその他消防点検など)など、入居者やテナントが分別して負担することが困難な費用が対象となります。一般的には、貸室専有面積当たりで算出し、月払いするのが一般的です。

    尚、建物などの館内細則等にもよりますが、一般的な概念としては、建物を利用しているからこそ発生する共用部等の費用負担分が共益費となりますので、契約期間内であっても、既に貸室を明渡ししている場合等には、費用負担が発生しないケースもあります。

  • 共同仲介

    1つの不動産物件の取引を複数社の不動産会社が共同で仲介業務を行なう事を言います。

    売手と買手をそれぞれ紹介し合う場合や、売買や賃貸借物件の依頼情報を共有して仲介業務に活用する場合などに用いられる事です。

    大規模商業施設(モール)に店舗を展開している不動産会社などは別として、一般的に、売買・賃貸などの不動産取引の媒介は、不動産業者が共同で実施するケースが多いです。売買・賃貸共に、不動産取引を迅速・公正に仲介するためには、不動産業者がそれらの情報を共有することが有効だからです。

  • 切土

    傾斜のある土地を平らな土地にするために、地面を掘り取る事を言います。

    宅地造成工事規制区域の中にある宅地において、高さが2mを超える崖を生じるような切り土を行なう場合には、着手する前に、都道府県知事(または政令市・中核市・特例市の市長)の許可を受けることが必要です。

    (宅地造成等規制法第8条)。

  • クロス(壁紙)

    いわゆる壁のクロスになりますが、わかりやすい表現だと、壁紙です。ビニールクロスとも言います。このクロス自体は、貸室内の壁の下地に貼り付ける事になります。クロス自体は主にプラスターボード(PB)と言われる石膏ボードの上に貼られる事が多いのですが、どうしても壁一面に貼る為には何度かクロスを繋いでいく事が必要になります。継ぎ目をわからなく貼る技術が職人芸であったりもします。

  • 経年劣化

    不動産におけるケースでいうと建物内外の躯体・設備などが、時間とともに品質が低下する事を言います。雨風・湿気・温度変化・日照などによる建物躯体の品質低下だけでなく、通常の建物使用方法で使い続けることによる摩耗・摩滅、汚損等の損耗も経年劣化の枠組みであります。

    不動産の賃貸借契約解除の際に賃借人が負担すべきとされる原状回復義務は、賃借人の故意・過失等による劣化の回復義務であって、経年劣化による摩耗・損耗の回復は含まれないのが通例です。

    例えば、国土交通省が示す「原状回復ガイドライン」では、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義してます。

    よって、建物の構造により発生するものの原状回復は、賃貸人の負担となるとしております。

    【原状回復ガイドライン:国土交通省】

    https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf#search=%27%E5%8E%9F%E7%8A%B6%E5%9B%9E%E5%BE%A9%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%27

  • 契約の解除

    契約締結時にさかのぼって契約を解消することを言います。

    但し、建物賃貸借契約のように継続的な契約の場合には、当該契約の効果は将来に向かってのみ解消する事になりますので、「解約」という表現で使われることが多いです。

    その方法は、主に、当事者の片方が一方的に契約を解除する場合と、契約の当事者で話し合って契約をなかったことにする場合(合意解除)に分かれます。

    前者はさらに、法律の規定によって解除する権限が発生するもの(法定解除)と、契約などで定めた条件に従って発生するもの(約定解除)の2種類があります。

    法定解除ができるのは、相手方に契約履行遅滞(賃料滞納など)や契約履行不能(破産手続き)のような債務不履行があった場合と、売買契約における契約不適合責任に基づいて契約を解除する場合であります。又、約定解除には、解約金を支払っていつでも解約できると定めた場合(中途解約・解約手付)、期間内に建物を建築しない時には買い戻す約束をした場合(買戻特約)などのケースがあります。

    貸倉庫などの建物賃貸借物件における一般的な解除事項は、上記以外にも反社会的勢力と判明した場合なども含まれます。

  • 軽量鉄骨造

    鉄骨構造の一つです。軽量鉄骨構造とは、次のような特徴を持つ鉄骨構造です。

    1.軽量鉄骨を柱・梁として使用する。

    2.留め具で柱・梁を対角線につなぐことにより、水平方向の外力に対抗できる構造をつくる。

    3.木質系パネル・軽量気泡コンクリートパネル・窯業系パネルなどで壁・床を構成する。

    従って、「軽量鉄骨構造」とは、在来工法の木造建築物における木造軸組を「軽量鉄骨とブレース」に置き換えたものであると考えることができる。

    こうした「軽量鉄骨構造」は、一般住宅やアパートに使用されることが多いです。

  • 減価償却

    法人企業の会計において、長期間にわたって使用される資産(有形固定資産のほか、特許権などの無形固定資産を含む)を費用化する手法を言います。

    例えば、生産設備などは複数の会計年度にわたって使い続けられるため、その取得費を複数年度に分けて費用として計上する必要があるが、そのための手法が減価償却です。

    毎年度の減価償却費は、取得費用と耐用年数をもとに、一定の方法(定額法、定率法、級数法、生産高比例法のいずれか)で計算され、それを計上することによって資産が減価し、費用が発生することとなります。

    尚、使用によって減価しない資産は減価償却の対象とはなりません。代表的な例としては、土地や地上権、借地権などであります。

    一方で、土地等は減価償却の対象とならない代わりに、地価の変動等に応じて、地価公示・路線価などで再評価する必要があります。

  • 検査済証

    建築工事が完了した建築物について、建築主事等は、検査の申請を受理した日から7日以内に、当該建築物について工事完了検査を行なわなければなりません。

    この工事完了検査に合格した場合に、建築主事等が建築主に交付する書面が「検査済証」であり、後日取得する事が出来ないものであります。この検査済証を取得していなければ、原則として建物の増改築工事などが行えません。

    要は、建物が竣工したあとであれば、建築主事等は建築確認済証通りに建築されたかどうかわからない為、検査済証の発行を行なう事が出来ません。

  • 現状有姿

    現状有姿とは、文字通りの”あるがままの状態”で借主に引き渡すことを言います。借主の入居前に貸主が改修工事を行い、貸倉庫・貸店舗・貸事務所・貸室を引き渡す事が一般的であるが、その内容を一切行わないということです。その場合、金銭面の賃貸条件は相場より低くなっている事が多いです。

  • 建築確認

    一定の建築物を建築(増改築を含む)しようとする時に、工事の着手前に、建築計画が法令で定められた建築基準(建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準)に適合している旨の確認を受けなければならないとする制度、または当該確認行為の事を言います。

    建築確認を申請する義務があるのは建築主で、建築確認を行なうのは建築主事等であります。

    建築主は、建築確認を受けた場合には確認済証の交付を受けるほか、建築工事が完了したときには検査を受けること、一定の場合には工事の中間検査を受けることなどの義務を負う事になります。建築主事は、建築基準に違反した建築物については、建築主、建築工事の請負人等に対して、工事施工の停止や違反を是正するための措置を命じることができます。但し、特別な場合を除いて、従前から存在する基準に違反の建築物(既存不適格建築物)については、増改築をしない限りはそのまま使用できるという特例もあります。

    建築確認制度において重要なのは、建築確認を受けなければならない建築物の建築工事にあたっては、その設計は建築士があたらなければならず、また建築士である工事監理者を置かなければならないとされていることであります。この条件を満たさない建築確認申請は受理されません。よって、建築基準を確保する仕組みは、建築確認制度と建築士制度とが一体となって初めて実効あるものとなります。

    尚、建築基準は都市計画区域及び準都市計画区域内の建築物に対しては、より厳しい基準が適用されるなど、建物の敷地場所、規模、構造、用途等に応じて詳細に定められている為、その内容については注意深く確認する必要があります。

    建築主事は、建築確認の申請を受理してから、一般の建築物については7日以内に、一定の特殊な建築物又は大規模な建築物については原則として35日以内に、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて建築基準関係規定に適合することを確認した場合には、建築主に文書(確認済証)を交付する事とされています。

    また、建築計画が法令に適合しないと認めた時、又は申請書の記載によっては建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由がある時は、7日又は35日以内に、その旨及びその理由を記載した通知書を建築主に交付することになります。

    尚、建築主は建築確認の期限を過ぎた場合であっても、確認済証の交付を受ける前には、工事に着手することはできません。

  • 建築基準法

    国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律です。

    遵守すべき基準としては、個々の建築物の構造基準と都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められています。また、これらの基準を適用し、その遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されています。

    【建築基準法】

    https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000201

  • 公証役場

    公証人が執務する事務所の事を言います。日本全国に約300ヵ所の公証役場が設けられております。

    公証役場では、公証人が公正証書の作成、会社設立時の定款の認証、確定日付の付与などの公証事務を行ないます。公証役場は、様々な場所にありますが、どの公証役場を利用しても問題は有りません。

    【日本公証人連合会:公証役場一覧】

    http://www.koshonin.gr.jp/list

  • 公序良俗違反

    公の秩序、または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とされている(民法第90条)。

    民法などにおける強行規定に違反する法律行為は無効とされているが、こうした強行規定に該当しない法律行為であっても、民法第90条により、公序良俗に違反したことを理由として法律行為が無効とされる場合がある。

    例えば、暴利行為(高利貸し)、倫理に反する行為(妾契約)、正義に反する行為(悪事をしないことを条件として金を与える行為)、人権を侵害する行為(男女を差別する雇用契約)などである。

    なお、公序良俗違反に関しては実際の状況に応じて、無効か否かを判断するという処理がされることが多い。例えば、密輸資金の融資を強く要請され、やむを得ず融資した者が貸金の返還を請求した事案では、最高裁は、融資した者の不法性は微弱であり、公序良俗違反に当らないとして貸金の返還請求を認めている。

  • 公正証書

    公正証書とは、公証役場にて公証人が個人・法人の法律行為や権利についての事実を作成する証書の事です。

    公正証書の内容としては、不動産売買契約、不動産賃貸借契約、金銭消費貸借契約、遺言などが一般的であるが、公序良俗に反しない限り、どのような契約や合意であっても公正証書にすることは可能です。

    一般的に様々なところで利用されている契約書関係は、私文書です。公正証書は、その契約書内容を公証人が内容を精査し、公的文書に作成された書面・証書が公正証書となります。公正証書は公的文書のため、裁判・訴訟などでは強力な証明力を発揮することが出来ます。よって、文書の内容に関して、後日裁判になった場合でも、文書の内容が真実であることが非常に強く推定されるので、公正証書に記載された内容がそのまま裁判で証拠になるというメリットがあります。

    上記のような強い効力を持つ公正証書ですが、作成手数料は比較的低額であり、利用しやすい制度であります。

    作成費用については、賃料額・契約期間・契約書面数等によって変動します。

    貸倉庫・貸事務所・貸室を賃貸する場合には、あまり使用される事がありませんが、貸主の強い希望や事業用定期借地などの契約形態では、公正証書での契約が必須になります。

  • 構造計算

    建築物・構造物に関して、自重、地震、強風などの加重によって発生する応力や変形を計算することを言います。

    その結果に基づいて建築物・構造物の安全性等を判断する事になります。

    建築確認申請にあたっては、構造や規模に応じて定められている一定の建物について、構造計算書を添付して、構造計算適合性の判定を受けなければなりません。この場合の計算方法や、想定する加重、必要とする耐力などは、建物の構造、規模、用途等によって異なります。

    尚、構造計算の適合性の確保を含めて、建築物の構造をデザインする業務を構造設計と言い、建築士が責任を負うべき重要な業務のひとつとされております。耐震設計などもこれに含まれます。

  • 個別空調

    貸倉庫内には空調の概念が低い為、あまり設置されている事がありませんが、貸ビル・貸事務所などのフロア毎、または貸室毎で空調をコントロールできる事を言います。しかし、マルチ空調になっている場合は、個別の温度設定が出来るものの冷暖房の切替は一緒に行わないといけないケースがあります。

  • コワーキングオフィス

    独立して働く人々が共同利用しながら働く事務所などを言います。昨今、これらのケースが独立する方々にとっては費用負担が少なく済むなどの事から利用される事が多いです。

    共同利用する事務所(ビル)は、打合せする商談スペースも自らが利用するデスクも、その場、そのタイミングで変わるなどのケースもあります。複合機などの利用も運営会社の設備を利用する事が出来ます。必要不可欠な設備を必要なだけ利用するという点は、独立する方々にとって有効に利用できる点がありますが、その分ランニングコストの単価として割高になる傾向はあるようです。

さ行

  • サイディング

    建物の外壁に使用する仕上げ材の事です。

    木材、セメント板、金属、セラミック等が様々に多用されます。

  • 債務不履行

    債権・債務関係において、債務が履行されない状態を言います。要は、「ダメ」な事です。

    例えば、売買契約において、代金を支払ったにもかかわらず、売主が物件を引き渡さない時は、売主の物件引渡義務を怠っていて、「債務不履行」にあたります。

    このような債務不履行に対して、法律(民法)により、債権者が債務者に対して損害賠償を請求することができるとされています。

    但し、債務不履行を理由とする損害賠償などを請求するには、次の条件を満たすことが必要です。

    1.債務者が債務を履行しないこと(履行不能・履行遅滞・不完全履行の3つの形態がある)

    2.債務者に故意又は過失があること

    3.債務不履行を正当化するような法律上の理由が存在しないこと

  • サテライトオフィス

    サテライトオフィスとは、主幹ベースになるオフィスとは別に小さなオフィスを設置して、主幹拠点オフィスへの通勤の負担をなくしたオフィスのことを言います。(サテライト=衛星) 通勤時間・コストの削減や新たな事業開始など、営業エリア拡充のために利用される手段の一つとして考えられています。

    サテライトオフィスでの働き方は、情報通信機能を活用するテレワークに似た勤務形態のものもあれば、自立した拠点として組織的に仕事を進めるものもあり、サテライトオフィスの設置目的に応じてさまざまであります。

  • サブリース(転貸借)

    賃貸借物件を第三者に転貸する事です。いわゆる転貸借契約となります。貸倉庫・賃貸オフィス・貸事務所では、サブリース会社が所有者から貸倉庫・貸ビルなどの物件を全て借り上げて、各企業(第三者)に転貸借をする運営方法となります。この場合、契約上の貸主は所有者ではなく、サブリース会社となります。サブリースは、所有者が個人であったりする場合に貸倉庫や貸ビル運営管理を一括管理的に行う為、サブリース会社に任せてしまう事になります。所有者のメリットとしては、サブリース会社が倉庫やビル等の建物運営管理を全て行なってくれますので、日々の煩わしさがなくなります。入居者・借主のメリットとしては、貸主が企業であるサブリース会社になりますので、保証金・敷金などの預託金を安心して預け入れる事が出来ますし、入居中・解約時などの対応も不動産のプロであるサブリース会社が行いますのでトラブル回避が行いやすくなります。しかしながら、サブリース会社自体の問題も取りざたされておりますので、どのサブリース会社と契約を行なうのかを見極めるのも必要です。

  • CF(シーエフ・クッションフロア)

    床材のひとつで、合成樹脂で作られた厚みのあるシートを言います。

    CFはクッションフロアの略語であります。クッションフロアは、木製のフローリングに比べて安価で耐水性、弾力性に優れているとされるが、床暖房には使えません。(一般的に、事業用物件に対して床暖房がある物件がありませんが)

    プラスチック系床材のうち、塩化ビニル系床材であって、発泡層を含んでいる厚さ2mm前後のプラスチックシートのことを「クッションフロアシート」または「クッションフロア」とも呼んでいます。

    「クッションフロア」は、表面層と裏打ち層の間に発泡層を挟んでいるため、保温性・衝撃吸収性があり、また水にも強いです。そのため、トイレ・洗面所・脱衣所・台所などの床仕上げ材としてよく利用されております。

  • シーリング

    建物の壁と壁などの継ぎ目や隙間を埋める工事を言います。

    これによって、継ぎ目や隙間からの雨水の侵入を防ぎ、構造物が振動し変位した際の伸縮性を確保することができます。建物の大規模修繕にあたっては、一般的にシーリングをやり直すなどと使われます。

    シーリングに使う充填材は、充填後に硬化し、防水性、伸縮性を発揮する必要があるが、成分の違いによって多くの種類があります。外部用、内装用など様々な箇所で利用される事から、用途によって使い分けされる事が多いです。

  • シーリングファン・シーリングライト

    天井に取り付ける回転羽根の事を言います。

    室内の空気を循環させて、上下の温度差を少なくする機能を発揮します。

    風量を調節したり、羽根の回転にゆらぎを加えたりできるものもあり、実用性だけでなく、室内装飾としての効果もあるとされ、昨今、居住・事業用と様々なところで利用されております。

    天井に直接取り付けて、広く照らす照明器具でもあります。

    部屋全体を照らすことができ、一般的に主照明として用いられる場合が多いです。

  • 事業用定期借地権

    定期借地権の一つで、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とするものを言います。

    昔、事業用定期借地契約の契約期間は10年以上20年以下とされていましたが、借地借家法の改正により、2008年1月1日以降は、10年以上50年未満に改められました。

    事業用定期借地権は、原則として契約の更新(存続期間の更新)を行なわない、契約終了時に建物買取請求権が発生しない、建物再築による存続期間の延長がないことを特約した借地権の設定契約(事業用借地権設定契約)によって発生するものであり、この場合、契約期間が10年以上30年未満の場合には必ずこの特約が必要である一方、契約期間が30年以上50年未満の場合は特約するかどうかは任意とされます。

    尚、この事業用定期借地契約は「公正証書」による契約締結が必須です。

  • 自走式駐車場

    立体的な駐車場であって、車を自ら運転して昇降し、駐車する方法の駐車場を言います。立体駐車場であるが、車を機械によって移動しないパターンであり、わかりやすいケースでは、大規模商業施設の立体駐車場などが自走式駐車場と呼ばれるケースです。

  • 指定流通機構(レインズ)

    指定流通機構とは、不動産業者である宅地建物取引業者同士が不動産情報を交換するために、宅地建物取引業法第50条の2の4第1項の規定により、国土交通大臣が指定した公益法人のことであります。

    全国では次の4つの地域ごとに公益法人が「指定流通機構」として指定されております。

    1.公益財団法人 東日本不動産流通機構

    2.公益社団法人 中部圏不動産流通機構

    3.公益社団法人 近畿圏不動産流通機構

    4.公益社団法人 西日本不動産流通機構

    物件情報を得た各不動産業者は、上記の指定流通機構に物件情報を掲載しなければならない義務があり、売買・賃貸にて物件を探している顧客を持つ各不動産業者は、それらの掲載された物件情報を元に仲介業務を行なう事が出来ます。

  • 借地権

    借地権とは次の2つの権利のどちらかのことであります。(借地借家法第2条)

    1.建物を所有する目的で設定された地上権

    2.建物を所有する目的で設定された土地賃借権

    よって、資材置場などにする目的で設定された土地賃借権は「借地権」ではありません。

    また、青空駐車場などとする目的で設定された土地賃借権も「借地権」では無い事になります。

    (コインパーキング事業主との契約時も、借地権が無いとの説明書きがあるケースがあります。)

  • 借地借家法

    借地権及び建物などの賃貸借契約などに関して、特別の定めをする法律であり民法の特別法であります。

    (1991年公布、92年8月1日から施行)

    従前の借地法、借家法を統合したほか、定期借地権等の規定が創設されました。借地借家法では、借地権の存続期間や効力等、建物賃貸借契約の更新や効力等について、借地権者や建物賃借人に「不利」にならないよう一定の制限が定められております。

    【借地借家法】

    https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=403AC0000000090

     

  • 借家権

    貸倉庫・貸工場など建物の賃借権の事を言います。

    建物の賃借権は、通常の賃借権と異なって、借家人(入居者)を保護するために特別の取扱いを受けれます。

    主要な保護措置としては、

    1.登記がなくても家屋の引渡しを受ければ第三者への対抗要件にできること

    2.賃貸人からの解約や契約更新拒絶には「正当事由」がなければならないこと

    3.契約終了時の造作買取請求権が認められること

    4.内縁の妻など同居者による借家権の継承が認められること

    などがあります。

    尚、定期借家権については、原則としてこのような保護の対象にはなりません。

  • 従業者証明書

    宅地建物取引業者は、その「従業者」に対して、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならないと定められております。(宅地建物取引業法第48条)。

    その証明書を「従業者証明書」と呼びます。「従業者証明書」は、宅地建物取引業者が作成し、その従業者に交付するものであり、従業者の顔写真が付いたカード型のものであります。

    従業者は、売買・賃貸等の不動産取引の関係者から請求があった場合には、この「従業者証明書」を提示しなければなりません。(宅地建物取引業法第48条)。

  • 住居表示と地番

    1962(昭和37)年以前は、土地登記簿に記載されている地番(土地登記簿の表題部に記載されている土地の番号:不動産登記法第79条)に基づいて、各建物を表示していたため、郵便などの集配等で混乱が生じていました。

    そこで1962(昭和37)年に「住居表示に関する法律」が施行され、各建物を合理的に表示するために、各建物ごとに新しい番号(これを住居番号という)を付けることとなり、これらによる建物の新しい表示の方法のことを「住居表示」と呼びます。

    一般的に住居表示は、個人・法人の住所として利用され、地番はその土地自体を指し示す事になりますので不動産取引や建物の建築時に利用されます。尚、民有地には地番が付されているが、公有地は無番地であることが多いです。

    一般的な地図情報で利用されるのが住居表示ですが、民間にて作成されている地図の住居表示が異なるケースもありますので、どうしても住居表示の確認を必要とする場合は、役所での住居表示確認を行なわなければなりません。

    地番は、一般的な地図情報では表記される事が少なく、ブルーマップと呼ばれる特定の地図情報に記載されております。尚、昨今では、各自治体にもよりますが、住居表示と地番が異なると困惑するという事から、同一に整理している地方自治体もあります。

  • 重説

    重要事項説明の略です。不動産業者、不動産会社が宅地建物取引の賃貸借契約締結を行なう前に、買主・借主に対して土地や建物など物件について書面(宅地建物取引業法 第35条)を交付して説明をする事です。

    重要事項説明する項目は宅建業法で定められており、有資格者である「宅地建物取引士」が土地・建物の売買・賃貸借契約締結前に買主・借主に対し、宅地建物取引士証を呈示し、35条書面提示・対面・口頭説明で行わなければならないものです。

    不動産の買主・借主は、売買・賃貸借契約共に契約しようとする物件に対して十分な知識と情報を持っていない事がほとんどです。特に買主・借主が個人・法人に関わらず、あまり不動産に関わっていない場合は、法律知識が不十分である為、想像しえない損害を被ってしまうケースがあるからです。

    貸倉庫や貸事務所などの事業用不動産物件だけに関わらず、住居のマンションやアパート賃貸借契約時も同様に対面にて書面提示し口頭説明義務があります。尚、宅地建物取引士証の提示・対面・35条書面提示・口頭説明による重要事項説明が義務でありましたが、賃貸の取引に限り2017年10月より一定条件を満たせばテレビ電話やインターネットでも行えるようになりました。このことにより、遠隔地や遠方とのやり取りがスムーズに行えるようになりました。

  • 準耐火建築物

    建築基準において、耐火建築物以外の建築物のうち、その主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)が準耐火性能を満たし、かつ、延焼の恐れのある開口部(窓やドア)に防火戸など、火災を遮る設備を有する建築物のことを言います。

    この場合、準耐火性能を満たすというのは、

    1.主要構造部が準耐火構造であること

    2.準耐火構造と同等の準耐火性能を有するための技術的基準(準耐火性能を確保するための方法としては、外壁を耐火化する手法、または、主要構造部を不燃材料化する手法が認められていて、それぞれの要件が定められている)に適合すること

    である。

    一定の特殊建築物や、都市計画で定められた準防火地域内の一定の建築物は、準耐火建築物でなければなりません。

  • 償却金(解約引・敷引・解約控除金)

    賃貸借契約において、保証金・敷金などの預託金から一定の割合で貸主が差し引くものを言います。

    保証金・敷金は、賃貸借契約締結時に借主が貸主へ預けた金銭になりますが、貸主は賃貸借契約終了時に、賃料滞納など借主の債務に充当する金額を控除して残金を返還するものとなります。しかしながら、この場合に使途を特定しない一定の金銭を差し引かれて返還されることがありますが、これらの金銭が償却金(解約引・敷引・解約控除金)であります。この償却金の性質・性格について、各物件毎に貸主は説明義務を要する事になりますが、一般的な見解としては、通常使用による建物内外の摩耗・汚損等、借主の原状回復義務に抵触しない箇所の補修等に利用される名目として差し引かれる事が通例です。

    一般的な償却金の設定金額としては、建物・エリア・地域的相場等により異なりますが、よく見かけられる金額としては「月額賃料の2〜3ヶ月程度」「保証金・敷金の20~30%程度」で、賃貸借契約終了時に差し引かれます。

    保証金・敷金などの預託金には消費税が課されませんが、差し引かれる解約引・敷引の金額は貸主の所得・収入になりますので、消費税が課税されます。預託保証金・敷金から解約引・敷引された返還金は、建物明渡し後に貸主より借主へ返還されます。この内容につきましては、同時履行ではありません。

  • 心理的瑕疵

    不動産物件の取引に当たって、借主・買主に心理的な抵抗が生じる恐れのある事を言います。

    心理的瑕疵とされているのは、主に自殺・他殺・事故死などがあった事、近くに墓地や嫌悪・迷惑施設が立地している事、近隣に指定暴力団構成員等が居住している事などがあげられます。

    建物に対する物理的、機能的な瑕疵ではないが、物件の評価に影響することがあるため、売主・貸主・不動産業者などは、知っていながらその事実を説明しない場合には契約不適合責任を問われることがあります。

    しかしながら、何が心理的瑕疵に当たるかについての明確な基準はない分、判断基準が難しいと言われております。

  • スケルトン渡し

    床・壁・天井などの内装が、ぼぼ一切なされていない状態で貸す事を言います。オフィス・貸事務所ではあまり見かける事がありませんが、貸倉庫・貸工場・貸店舗として利用できる物件に良く見かけられる賃貸方法です。基本的に入居者が内装を行う事で、その企業の作業内容や店舗の好みのデザインに仕上げられ、自由度が高い為に、貸主は一切の内装を行わずに貸す事になります。

  • 筋交い

    軸組の垂直面において、垂直材(柱)と水平材(胴差し・土台など)を対角線に沿って斜めにつなぐ材の事を言います。筋かいを入れることによって、軸組が水平方向の力に対抗できるようになり、構造強度が増します。

    建築基準法施行令第45条では、筋かいの基準を設けると共に、筋かいと柱・土台等を「金物」で緊結することを義務付けております。

    尚、2000(平成12)年6月1日に施行された建設省(現国土交通省)告示第1460号により、筋かい端部における仕口(筋かいと柱・土台等との接合部のこと)の接合方法が具体的に厳しく規定されました。

    この結果、現在では、筋かい端部の接合部においては、事実上、Zマーク金物(またはそれと同等以上の性能を有する金物)の使用が義務付けられております。

  • スラブ

    スラブとは、建築用語で鉄筋コンクリート構造における床板のことを「スラブ」と言います。鉄筋コンクリート構造でのスラブは大梁や小梁と一体化して成型されます。例えば、貸ビルなどの建物のOAフロアの床を取り払った下にあるコンクリート貼りの基礎の部分がスラブと言います。

  • スレート葺

    屋根の仕上げ方法の一つで、粘板岩(slate、スレート)を板状に加工したもの、又は、それに類似する板状の素材で屋根を覆うことを言います。

    材料としては、天然の粘板岩のほか、石綿スレート(セメントを主体に石綿を混ぜたもの)等が使われておりますが、屋根材だけでは無く、外壁に利用される事もあります。

  • スロップシンク

    床掃除のモップ・雑巾などを洗うため、トイレ内又はトイレ付近に設置されている深型の流し台を言います。

    主にバルコニーやトイレ、湯沸し室に設置される事が多く、貸ビルなどでは男女トイレの間に作られていたりします。「掃除用流し台」とも言います

  • 正当事由

    正当事由とは、貸主が賃貸借契約の解約を申し入れるために必要な条件のことを言います。民法上、借主の場合は、期間内解約条項があれば、理由は必要なく一方的に解約することができますが、貸主の場合は、期間内解約するための理由が「正当」でなければ、借主に対し解約することはできません。

    正当事由に当てはまる事項としては、概ね次の内容に分類する事が出来ます。(過去判例ベース)

    1.所有者・貸主自身が、その建物等を利用し又は営業する必要がある場合

    2.所有者・貸主の親族・身内などが、その建物等を利用・使用する必要がある場合

    3.所有者・貸主が致し方なく生計のために、その建物等を売却する必要がある場合

    4.その建物等の大規模修繕又は取り壊しの必要性がある場合

    5.所有者・貸主が入居者・借主に対し、立退料を提供する場合

    正当事由には、入居者・借主の事情も加味されて、所有者・貸主にそれを上回る逼迫した事情がない限り認められない事が多いです。しかしながら、前述した「定期借家契約」では、契約期間の満了により確定的に賃貸借契約が終了するので、期間満了で賃貸借契約が終了する場合は正当事由や立退料という概念は有りません。

  • 石膏ボード

    石膏を心材とし、両面をボード用原紙で被覆した板の事を言い、安価であり、施工が簡単で温度・湿度による変化が非常に少ないことから、内装の壁材、天井材(あるいは壁・天井の下地材)として使用される事が多いです。

  • 善管注意義務

    民法に定められる「善良なる管理者の注意義務」の通称です。賃貸借物件の入居者・借主は占有する建物や設備に対し一般的・客観的に要求される程度の注意をしなければいけないという義務があります。

    分かりやすい例として、「自己の財産におけると同一の注意をなす義務」・「自己の為に行なう事と同一の注意をなす義務」というのがあります。

  • セントラル空調

    中央空調ともいい貸ビルなどの建物内一括で管理、コントロールする空調を言います。尚、建物内での一括管理となる為、比較的管理人が常駐している物件や大型のオフィスビル・貸ビルに多く見かけられます。しかしながら、早速は日時設定がなされている事が多く、企業毎にフレキシブルに貸事務所を利用するのにそぐわないと、別途個別空調を取り付ける貸ビルが増えてます。

  • 専任媒介契約

    媒介の依頼者と宅地建物取引業者間で取り行う宅地・建物の売買・交換の媒介契約であって、媒介の依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買・交換・代理を依頼することを禁ずる媒介契約形態の事を言います。

    この専任媒介契約の有効期間は、3ヶ月間を超えることができないとされており、3ヶ月間以上の期間設定を行なわれている場合、3ヶ月以降の期間は無効となります。(契約期間の更新は可能です)

    専任媒介契約を締結した場合には、宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、営業日ベースで7日以内に、媒介の目的物に関する事項を指定流通機構(レインズ)に登録しなければなりません。尚、探索期間中の報告は、2週間に1回は行なわなければなりません。

    賃貸物件に関して、業法上の専任媒介契約の規定や制限などは有りませんが、商慣習的に媒介契約を締結する場合もあります。

  • 損害賠償の予定額等の定め

    宅地建物取引業者が売主となる宅地建物の売買契約では、契約の解除に伴う損害賠償額の予定や違約金を定めるときは、その合計額が売買代金額の10分の2を超えてはならないという制限があります。(宅地建物取引業法第38条)

    損害賠償額の予定額とは、あらかじめ契約締結時に損害賠償額を予定しておけば、仮に債務不履行が発生した場合に、損害を受けた側は煩雑な損害額の証明をする必要が無くなりますので、損害を受けた側の権利行使が容易になるという制度であります。(民法第420条第1項)

    違約金とは、仮に債務不履行が発生した場合に、義務を履行しなかった者が支払うことを約束した金銭の事を言います。この違約金は懲罰としての性質を持つだけでなく、相手方への損害に対する損害賠償としての性質を持つ場合もありますので、違約金と損害賠償額の予定額との区別は実質上難しい事になります。そこで、民法第420条第3項では「違約金は賠償額の予定と推定する」旨を定められております。

    このような損害賠償額の予定額や違約金は、大変高額になることもありますので、不動産取引に精通していない一般消費者はこれらによって不測の損害を被る場合が考えられます。そこで、宅地建物取引業法第38条では、宅地建物取引業者が売主で、宅地建物取引業者以外の者が買主である場合には、不当に過酷な損害賠償額の予定額、又は違約金を課すことを禁止しております。損害賠償額の予定額と違約金の合計額は、最大でも売買代金額の2割以内となります。また同じく第38条第2項では、「前項の規定に反する特約は、売買代金額の十分の二を超える部分について、無効とする」と定められており、代金の2割を超える損害賠償額の予定額と違約金の合計額が代金の2割を超えるような契約は、自動的に代金の2割にまで縮減される事になります。但し、無効とされるのは超えた金額のみであり、それら以外の契約条項そのものは有効なまま維持される事になります。

    なお、この第38条は一般消費者保護の規定でありますので、宅地建物取引業者が売主で、宅地建物取引業者以外の者が買主である場合にのみ適用されます。

    ある意味、宅地建物取引業者はプロであり、それ以外の一般消費者はアマチュアである為、一般消費者を保護しましょうという内容であります。

た行

  • 耐火建築物

    建築基準において、その主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)が耐火性能を満たし、かつ、延焼の恐れのある開口部(窓やドア)に防火戸など火災を遮る設備を有する建築物のことを言います。

    この場合に、耐火性能を満たすというのは、

    1.主要構造部が耐火構造であること

    2.屋内で発生する火災、および周囲で発生する火災による火熱に、当該火熱が終了するまで耐えることができるとする技術基準で定める性能(構造耐力、上昇温度などに関する一定の要件)に適合すること

    である。

    一定の特殊建築物や、都市計画で定められた防火地域内の一定の建築物は、「耐火建築物」としなければなりません。

  • タイルカーペット

    50㎝×50㎝ が標準のタイル状カーペットです。昨今の貸ビル 貸事務所物件では最も利用される事が多い素材です。OAフロアが成されている貸室には、ほとんどがこのタイルカーペットです。コーヒーなどをこぼして汚してしまった場合は、その箇所だけタイルカーペットを貼り替える事が出来る…などのメリットがあります。

  • 宅地建物取引士

    1年に1回実施される国家資格試験「宅地建物取引士資格試験」に合格し、都道府県知事の登録を受けて、宅地建物取引士証の交付を受けた者の事を指し示します。

    宅地建物取引士は、一定以上の知識・経験を持つ者として公的に認められた者であり、宅地建物取引業者は事務所ごとに従事者5名に対して1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置かなければなりません。

    売買・賃貸などの宅地建物取引において特に重要な次の3つの業務は、宅地建物取引士だけが行なうことができます。(宅地建物取引士ではない者は、下記の業務を行なうことができない)。

    1.重要事項説明

    2.重要事項説明書への記名・押印

    337条書面への記名・押印

    宅地建物取引士となるためには、具体的には次の1)から5)の条件を満たす必要があります。

    1)宅地建物取引士資格試験に合格すること

    宅地建物取引業に関して必要な知識に関する資格試験である宅地建物取引士資格試験に合格することが必要である。

    2)都道府県知事に登録を申請すること

    この場合、宅地建物取引に関して2年以上の実務経験を有しない者であるときは、「登録実務講習」を受講し修了する必要があります。

    3)都道府県知事の登録を受けること

    登録を受けるには一定の欠格事由に該当しないことが必要であります。

    4)宅地建物取引士証の交付を申請すること

    宅地建物取引士証の交付を申請する日が、宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、都道府県知事の定める「法定講習」を受講する義務があります。

    5)宅地建物取引士証の交付を受けること

    氏名、住所、生年月日、有効期間の満了する日等が記載されている宅地建物取引士証の交付を受けて初めて正式に宅地建物取引士となります。※試験に合格しただけでは、宅地建物取引士ではありません。

    宅地建物取引士は、宅地建物の取引の専門家として、売主・買主・貸主・借主等、全ての利益の保護および円滑な宅地建物の流通に資するよう公正誠実に業務を処理するほか、信用・品位を害するような行為をしないこと、必要な知識・能力の維持向上に努めることとされております。

    【宅地建物取引士免許試験:不動産適正取引推進機構】

    http://www.retio.or.jp/exam/takken_shiken.html

  • 垂れ壁

    天井から垂れ下がった形状の壁の事を言います。

    建築基準法では、こうした垂れ壁であって、天井面から50cm以上、下方向に突き出しているものを「防煙壁」と言います。この「防煙壁」は、火災により発生する煙の拡散を防ぎ、避難を容易にするための設備の一つであり、消防法上の規定により設置義務がある場合があります。(建築基準法施行令第126条の2)。

  • 短期賃貸借保護制度の廃止

    抵当権が登記された後に不動産を借りた場合でも短期賃貸借(土地5年、建物3年)であれば、賃借権は抵当権に対抗できるというものが、「短期賃貸借保護制度」でしたが、この制度が様々な事情や背景をもとに廃止され、抵当権が設定された後に入居した場合は、賃借権を対抗できなくなりました。よって、抵当権の実行で競売がなされ、競落人の買受日から6ヶ月間は不動産を明け渡さなくてもよいという明渡猶予制度も設けられましたが、競落人との契約合意がなされなかった場合、買受日から6ヶ月後までに、入居者・借主は退去しなくてはならなくなりました。但し、競売では無く、任意売却された所有者変更の場合は、その買受人に対して、賃借権が対抗できますので、正当事由が無い限り、退去を求められる事が有りません。

  • 地価公示

    最も代表的な土地評価である地価公示は、地価公示法に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月下旬に公表する土地評価額であります。

    地価公示では全国で選定された3万数千地点の「標準地」について、毎年1月1日時点を基準日として各標準地につき2名以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、その正常な価格を土地鑑定委員会が判定し、毎年3月下旬に公示します。この公示された価格を「公示地価」と言います。

    地価公示によって評価された公示地価は、一般の土地取引価格の相場・指標となるだけでなく、公共用地の取得価格の算定基準にもなっております。しかしながら、地価公示によって評価された公示地価は、一定の土地取引価格の指標にはなりますが、実勢価格(実際に取引される価格)とは異なりを示すケースが多いです。

    (地価公示価格<実勢価格のケースが多々です)

    【地価公示:国土交通省】

    http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html

  • 地積測量図

    土地の表示登記や分筆登記を申請する際に、土地家屋調査士が作成し、登記所へ提出する書面になります。境界確認などを行ない、正確な測量技術により土地の面積、土地の形状が記載される事になります。

  • 地目

    登記所の登記官が決定した土地の主な用途のことを言います。

    土地登記簿の表題部には、土地の所在、地番、地目、土地面積が記載されております。

    地目は、現況と利用状況によって決められることになっており、次の23種類に限定されます。

    田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、

    墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、

    堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地

    しかしながら、所有者が地目変更などを行なっていないケースもありますので、その場合は現況を優先する事になります。

  • 長尺塩ビシート

    プラスチック系床材のうち、塩化ビニル系床材であって、発泡層を含んでいない、幅の広いロール状のプラスチックシートのことを「長尺塩化ビニルシート」または「長尺塩ビシート」と呼びます。

    「長尺塩ビシート」は、ロール状であるため大きな床面の仕上げに適しており、同時に硬質で耐久性・耐摩耗性に優れています。その為、学校、病院、オフィスなどでよく使用されております。

  • 賃借権

    土地・建物などの賃貸借契約によって得られる借主の権利を言います。

    借主は契約の範囲で目的物を使用し収益できる一方、貸主に賃料を支払わなければならない事になります。

    民法上、賃借権は債権とされます。

    賃借権は債権であるので、

    1.登記しなければ第三者に対抗できません。(賃貸人に登記義務はなく登記がなければ対抗要件を欠くので、目的物が譲渡されると新所有者は賃借権に拘束されない)

    2.賃貸人の承諾無しに賃借権の譲渡・転貸は行なえない(賃貸人の承諾無しに賃借人が第三者に使用・収益させたときは、賃貸人から賃貸借契約を解除できます)など、物権に比べて法的な効力は弱いですが、不動産の賃借権は居住としては生活の基盤であり、事業所となれば仕事場の基盤であるため、賃借人の保護のために不動産の賃借権について特別の扱いを定めております。(賃借権の物権化)。

    よって、対抗要件については、借地に関してはその上の建物の保存登記、借家に関しては建物引渡しによって要件を満たすこととしました。その他、賃貸借契約の更新拒絶や解約において、貸主の正当事由を要件とすることを法定化し、実判例においては、賃借権の無断譲渡・転貸を理由とした契約解除を厳しく制限する、賃借権にもとづく妨害排除請求権を承認するなど賃借人保護に配慮しています。

  • 土地面積や部屋の広さを測るときの単位になります。

    計算例:10m×10m = 100㎡  ⇒  100×0.3025 = 30.25

    面積は「㎡」を利用する事もありますが、不動産における土地・建物の面積には、「坪」単価を利用する事が慣習となっております。

    この坪数値をベースに、相場単価を求める事も多いです。

    例:売却相場坪単価100万円

      賃貸相場坪単価6,000

  • 定期借家契約

    一定の期間が定められ、期間満了時、確定的に契約が終了致します。この契約形態で行なわれているので多いのが、ショッピングモール等に入居している貸店舗等となります。ショッピングモール等は一定期間過ぎると来店顧客に飽きられてしまう事が有る為、血の入替のように入居テナントを数年毎に入れ替えるためです。ちなみに普通賃貸借契約とは異なり、契約更新という概念がありません。よって、入居者・借主は期間満了時には必ず退去しなくてはなりません。また原則として中途解約ができません。(特約により定める事もあります。)

    もし、入居者・借主がそのまま居残りたいとなる場合は、両者合意の上、再度、定期借家契約を締結しなければなりません。尚、定期借家契約は各物件によって多少内容が異なったりする点がありますので注意しなければなりません。

    一般の借家契約は、借主を保護するために、貸主は正当事由がない限り、契約の更新を拒絶できないとされてますが、定期借家契約において、そのような制約がありません。

    尚、定期借家契約を締結するには、次の要件を満たさなければなりません。

    1)契約期間を確定的に定めること

    2)公正証書による等、書面によって契約すること

    3)貸主が借主に対して、契約の更新が無く期間の満了と共に契約が終了する事を、あらかじめ書面(契約書以外のもの)を交付して説明すること

    また、定期借家契約は期間の満了によって終了しますが、契約期間が1年以上の場合は、借主に対して、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間(通知期間)に契約が終了する旨を通知しないと強制力が働きません。但し、通知期間を過ぎた後に契約終了の旨を通知すれば、通知後から6ヵ月を経過した後に契約の終了を強制できます。

  • 抵当権

    債権を保全するために、債務者がその所有する不動産に設定する担保権の事を言います。

    債権が弁済されない場合には、債権者は抵当権に基づいて、担保である不動産を競売に付して、その競売の代金を自己の債権の弁済にあてることができるものであり、金融機関からの借入などを行なった際に、その不動産に対して抵当権を設定するなどがあります。

  • ディンプルキー

    シリンダーの作動によって制御される錠(シリンダー錠)の一つで、シリンダー内に並べられたピンの制御を、表面に多数の小さな窪み(ディンプル)が付いている鍵によって行なうものを言います。

    鍵のパターンが非常に多く、鍵の複製(コピー)が難しいのでピッキング(鍵穴に器具を差し込んで解錠すること)対策に優れているとされています。

  • 塔屋

    塔屋とは、貸ビルやマンションの屋上に突き出した部分を言います。主に、エレベーターなどの機械室や階段室、高架水槽、受変電設備(キュービクル)などになっている事が多いです。

  • 道路位置指定

    特定行政庁が、私道の位置を指定することを「道路位置指定」と呼びます。(建築基準法第42条第1項第5号)。

    この「道路位置指定」を受けることによって、私道は「建築基準法上の道路」となることができます。

    従って、私道のみに接する土地で建築をしようとする際には、まず私道について「道路位置指定」を受けることが必須であります。

  • 特定行政庁

    建築基準行政において、建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長を、その他の市町村の区域については都道府県知事の事を言います。

    人口が25万人以上の市の市長は、原則として特定行政庁であるほか、それ以外の市町村長も建築主事を置くことによって特定行政庁となります。

    建築主事は建築確認等の業務を行なうが、違反建築物に対する措置等は特定行政庁の業務とされております。

  • 特約

    特別の条件を伴った契約をすることを言います。

    両社合意の上であれば、原則として契約条件の定め方は自由である為、どのような条件が特別であるかについては判断の幅があるものの、一般的な条件とは異なる内容を指し示すという事になります。よって、本文の契約内容があり、特約が追記されている場合、本文と特約文言が異なる見解を指し示していたとしても、特約文言が有効となります。

    (文言内容の上書きというイメージです。)

    本来、本文と特約文言に相違がある場合、書き換える必要性がありますが、大手企業などどうしても契約書文言を変更する事が出来ない場合などに、特約条項として契約書本文の変更内容を記載する事があります。

    但し、強行規定(法令によって当事者の合意如何にかかわらず適用される規定)に反する条件は、当事者が合意しても無効となります。

な行

  • 2項道路

    建築基準法第42条第2項の規定により、道路であるものと「みなす」ことにされた道のことを言います。

    建築基準法第43条では、建築物の敷地は「建築基準法上の道路」に2m以上の長さで接していなければならないと定められています。ここでいう「建築基準法上の道路」は原則として幅が4m以上あることが必要とされています。(建築基準法第42条第1項)。

    しかしながら、日本の現況では、幅が4m未満の道が多数存在しているため、次の1.~3.の条件を満たせば、その道を「建築基準法上の道路とみなす」という救済措置が設けられています。(建築基準法第42条第2項)。

    1.幅が4m未満の道であること

    2.建築基準法が適用された際にその道に現に建築物が立ち並んでいたこと

    3.特定行政庁(知事や市長)の指定を受けたことでの救済措置による道路のこと

    これらを、その条文名をとって「2項道路」と呼んでいます。

    こうした2項道路に面している土地については、道路中心線から2m以内には建物などを建築ができないという制限(セットバック)があるので特に注意が必要です。

  • ネット面積

    主に貸ビル・貸事務所の場合に利用される用語です。トイレや給湯室、エレベーターホールなどの建物内にある共有面積を含まない貸室内だけの面積を言います。実効面積とも言います。最近の貸ビル・貸事務所の募集は、このネット面積になっている事が多いですが、物件によりけりですので、実際に貸室を内見した際、サイズを計測したり、他物件とのサイズ感の異なりを掴みとる必要があります。

  • 根抵当権

    継続的取引などによって生じる不特定の債権について、一定の限度額を限度として担保する抵当権を言います。

    担保する債権が特定されないことに特徴があり、民法の規定に基づく権利であります。

    根抵当権を設定するには、限度額の他、担保する債権の範囲及び債務者を定めなければなりません。

    通常の抵当権と違って、個々の債権に対する附従性(主たる権利と運命を共にする性質)や随伴性(主たる権利の移転に従って移転する性質)がありません。但し、根抵当権が担保すべき元本が生じない状態になった時(根抵当権の確定時)以降は、通常の抵当権と同様に附従性や随伴性を帯びることになります。

    尚、根抵当権は、根抵当権設定者の承諾を得れば、譲渡、分割、一部譲渡などを行なうことができます。その場合、譲渡された根抵当権は、譲渡人の債権ではなく、譲受人の債権をその担保すべき債権の範囲で担保することになります。

  • 延床面積

    貸倉庫・貸ビルなどにおける建築物の各階の「床面積」の合計数値の事を言います。

    一般的に建物全ての面積を指し示しますので、多層階である場合、階段部分や通路部分なども含まれた数値になりますので注意が必要となります。

  • ノンスリップ

    階段などに取り付ける滑り止めのための部材です。階段踏板の先端部分などに取り付けられ、摩擦力を増す役割があります。金属や合成樹脂を素材に加工されていますが、その形式は様々です。

は行

  • パース(イメージパース)

    透視図法、すなわちある点から放射状に線を引いて投影した図の事を言います。

    物を立体的に表現し、平・立面図に比べてイメージを把握しやすい点があります。

    従って、建築物の完成予想図としてよく用いられます。描く部分によって外観透視図・室内透視図などがあります。

    一般的に、新築建物の場合、平面図・立面図・断面図と一緒にイメージパースを添付して建築主に提案する事が通常です。

  • PS(パイプスペース)

    建物内にある上下水道管(さらにはガス湯沸器など)を収納したスペースの事を言います。居住の場合は、住戸の外部(玄関脇など)や共用部に設置されているのが一般的です。貸ビルなどの事業用物件にもPSはあり、同じく階段部や共用部に設置されている事が多いです。

    このPSの中に電気・ガス・水道のメーターを納めているときは、「MBPS」と表示されることがあります。

  • ハザードマップ

    自然災害による被害予測及び避難情報を表示した地図を言います。

    災害の種類に応じて、洪水、津波、火山、土砂災害などのハザードマップが作成・公表されております。

    ハザードマップには、災害発生時に予測される被害の範囲・程度などの他、避難経路や避難場所が示されておりますが、あくまで災害発生時に予測される被害の範囲や程度は、想定・推定する内容であり、鵜呑みにしてはいけませんが、楽観視も出来るものではありませんので、ハザードマップの情報を元に準備を怠ってはいけないという事になります。

    尚、災害を防ぐには、その発生を防止するだけでなく、発生後の被害を軽減することも有効である為、それらの内容に利用されたりします。

    【ハザードマップ:吹田市】

    https://www.city.suita.osaka.jp/home/soshiki/div-somu/kikikanri/bousai/009566/kouzui.html

    【ハザードマップ:大阪市】

    https://www.city.osaka.lg.jp/kurashi/category/3023-2-3-0-0-0-0-0-0-0.html

  • 巾木(はばき)

    壁の最下部で床に接する所に水平に設けられた化粧材の事を言います。

    壁の最下部を物がぶつかる等の損傷や汚染から保護し、クロス(壁紙)と床材との納まりを良くしたりします。

    木材、石、タイル、金属板、プラスチック等が用いられます。

  • はめ殺し窓

    開閉できない・枠に直接ガラスなどが固定された窓の事を言います。

    「はめ殺し」「FIX」ともいう。

  • 梁(はり)

    小屋組や床組の荷重を二点支持により水平や斜めの状態で支える横材の事を言います。

    柱などと連結して、上方からの荷重を鉛直方向に流し、地面に力を伝える重要な構造部材です。

  • Pタイル(ピータイル)

    30㎝×30㎝ が標準のプラスチック系床材でタイル状になっているもので、「プラスチックタイル」「Pタイル」と呼ばれます。Pタイルには、その材料によって、塩化ビニル系タイル、アスファルト系タイル、ゴム系タイルなどの種類がありますが、一般的には塩化ビニル系タイルの硬質なものを指し示す事が多いです。

    ツルツルした表面であり、硬質で耐久性・耐摩耗性に優れている為、学校・貸オフィス・商業施設などあらゆるところで利用されております。

  • 引き戸

    戸板を溝やレールで導き、横に滑せて開閉する戸・扉の事を言います。

    開閉の方式には、一枚の戸板を滑らす「片引き」、二枚の戸板を一筋の溝・レールによって滑らす「両引き」、二筋以上の溝・レールでそれぞれ戸板を滑らす「引き違い」などがあります。

  • 引渡し

    建物など占有する権利を相手に移転する事になります。不動産の売買や賃貸借によって生じる民法上の概念です。現実に占有状態を実現することだけでなく、占有を移転する旨の意思表示も引渡しとされます。

    不動産に関する物権譲渡の対抗要件は登記であって引き渡されることではないが、物件の引渡しを受ける事は、譲渡された事実を確定する上で重要な行為であります。

    売買に於いて、建物などの物件引渡しは、通常、その建物に関する鍵を渡すことによって行なわれます。

    同じく売買において、土地の物件引渡しは、建物付きであるのか、更地であるのかによって、費用の負担や手続きが異なります。例えば、建物付きの土地を更地で引渡す場合には、引渡し前にその建物を解体し、埋蔵物を確認し、建物の滅失を登記するなどの作業が必要となります。一方、現況での引渡しであればこれらの手続きは不要となります。

    賃貸においても、建物・土地などの物件引渡し方法は、基本的に考え方は同じでありますが、遠い将来、退去する際に所有者へ明渡しを行ないますので、どの状態での物件引渡しが行われて、原状回復義務がどのような内容になっているのかを明確にしておく必要があります。

    【原状回復ガイドライン:国土交通省】

    https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf#search=%27%E5%8E%9F%E7%8A%B6%E5%9B%9E%E5%BE%A9%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%27

  • 庇(ひさし)

    家屋や貸倉庫の開口部の上に取り付けられた片屋根の事を言います。

    庇は建築面積に含まれる事もありますが、雨よけなどに使われる事から、事業用の貸倉庫などでは非常に重宝されます。

     

  • ピロティ

    本来はフランス語で「杭(くい)」の事を言い、そこから派生して、建築物を柱だけで支え、1階部分が自由に通り抜けできるようになった建築スタイルのことを「ピロティ」と称するようになりました。

    現在の建築用語では、1階部分の一部にあり、2階の重みを柱だけで支えた空間のことを「ピロティ」と呼んでいます。

    また、このピロティは駐車スペースや作業場に使用しやすいので、オフィスビルやマンション、郊外型店舗などで多用されています。

  • ファサード

    建物(主に店舗)を正面から見た場合の外観の事を言います。

  • 風除室

    玄関の外側に設置された小さな部屋の事で「玄関フード」とも言われます。

    外気の流入や風の吹きつけを緩和し、室内の温度を保つ効果があります。

    特に冬季などに風雪や冷気が流入するのを防ぐために設置されることが多かったり、また冷暖房の効率を高めるために、マンションや貸ビルの入口に設置されることもあります。

  • ブラインド

    窓を覆い外光の入射を調整する設備です。

    横に細長い板を垂直方向に連ね、それぞれの角度を調整する方法が一般的ですが、縦型のブラインドもあります。

    特に西日などの入射を調整する際に使用されます。

  • フリーレント

    建物等の賃貸契約において、条件によって一定期間月額賃料を無料とすることを言います。

    賃料相場等への影響を避けながら実質的に賃料を割安にする手法であり、入居率を上げる手法の一つとなります。

    主として事務所ビルの賃貸に際して採用されることがあるが、住宅賃貸においても採用する例が現れている。

  • 分電盤

    配電盤より配電された幹線を、分岐する箇所に設置する装置です。分岐配線するという役目だけではなく、保守点検を行ないやすくするという利点も兼ね備えています。

  • ペアガラス

    複層ガラスとも言い、遮音性・断熱性を高めるため、ガラスを二重にしたサッシのことを言います。

    結露を防ぐ性能を持つタイプもあります。主に空港に近かったり、繁華街の近くであったりする場合、窓にペアガラスを用いられることがあります。

  • 保証金・敷金

    建物の賃貸借契約時などに、借主が貸主に支払う一時的な金銭です。

    保証金・敷金は、借主から貸主に対する賃料債務等を担保するものであって、借主に債務がなければ退去時に返還される金銭となります。また、保証金・敷金の一部として「償却金」(解約引・敷引・解約控除金)が定められている場合には、礼金と同じようにその金額は返還されません。

ま行

  • 間仕切り壁

    建築物の内部空間を仕切るための内壁のことであり、部屋と部屋とを区画する壁のことであります。

    間仕切り壁は、耐力壁(地震力、風圧力に対抗する壁)である場合もあれば、そうでない場合もあります。

    間仕切り壁は、パーテーションと呼ばれる事もあり、天井まで間仕切りして完全に個室を作り上げる事や、ローパーテーションと呼ばれる簡易な応接・商談スペースを分割する際などに利用されます。

    間仕切り壁は、スチールパーテーションと呼ばれる既製品を使用する場合と、LGS(軽量鉄骨)を利用した壁と施工方法が異なる点があります。但し、スチールパーテーションは、施工と撤去が行いやすい反面、断熱や防音には優れておりませんので、応接室・商談室などを造作する場合は、LGSを利用した造作壁(間仕切り壁)にされる事が多いです。

  • 盛り土

    傾斜のある土地を平らな土地にするために、土砂を盛る事を言います。

    宅地造成工事規制区域の中にある宅地において、高さが1mを超える崖を生じるような盛り土をする場合には、着手する前に、都道府県知事(または政令市・中核市・特例市の市長)の許可を受けることが必要です。

    (宅地造成等規制法第8条)。

  • モルタル

    セメントと砂に、水を加えて練り合わせたもので貸倉庫の床など、左官材料として多用されます。

や行

  • 床荷重

    一般的に言われる「床荷重」とは、1㎡あたりの床が耐えられる重さのことを言います。一般ビルの場合だと、概ね300kg/㎡~500kg/㎡程度が多いです。新築のオフィスでは、サーバルームなど荷重のかかる施設を置くような場合を想定し、700kg/㎡~1,000kg/㎡程度を設けているケースがあります。しかし、良く勘違いされる事ではありますが、上記の数値は、あくまで床にかかる1点荷重での数値になりますので、実際の貸室内の使用上で言えば、それほど気に病む事はありません。但し、OAフロアについては、素材が樹脂製なのか、スチールなのかなどにより変動します。大型貸倉庫などの物流倉庫で利用する時、通常フォークリフトが走行する際の基準としては、1,000㎏/㎡以上は必要と言われております。

  • 擁壁(ようへき)

    崖を覆う人工の壁の事を言います。

    主に、敷地と道路に高低差がある場合や、敷地の背後に崖がある場合に設置・施工されます。

    単に崖を補強するものではなく、土砂の崩壊を防止することがその役割であり、大きな荷重を支えることができるような性能を持つ必要があります。

    尚、建築基準法88条・施行令138条により、高さが2mを超える擁壁(ようへき)を造る場合には、建築主事の建築確認を受ける必要があります。

ら行

  • ラーメン構造

    ラーメン構造とは、建物の構造躯体(骨組)の種類の1つです。柱と梁が溶接されて一体となった構造のことで剛接骨組構造、剛接架構とも訳されます。耐力壁や筋交いを入れなくても、地震などの横揺れに耐えられる構造なので、壁のない自由な空間を作ることができます。低層から超高層まで幅広く対応できる構造で、S造(鉄骨造)やRC造(鉄筋コンクリート造)が一般的に利用される構造です。

  • リノベーション

    新築を除く住宅の増築、改装・改修、模様替え、設備の取替えや新設などの改造工事を総称してリノベーションと言います。既存建物の耐震補強工事などもリノベーションの一種であります。

  • リフォーム

    建物の構造強化、機能向上などを図るための改修工事を言います。リフォームの種類には、耐震化、バリアフリー化、省エネルギー化、耐久性向上化などのための工事用途があります。

    リフォームへのニーズは、既存建物の有効活用、既存住宅流通の活性化、良質な住宅ストックの形成などの要請によって、今後高まっていくと考えられています。また、これを促進するためのリフォーム減税が措置されています。

    一方で、リフォームは、その目的や内容が多様で幅広いこと、リフォーム前の建物の状態がさまざまであることなどの特徴があります。そのため、リフォームのための技術・技能や費用を標準化するのが難しく、また、リフォームによって高まるであろう不動産価値を評価する手法は十分に確立されているとは言い難く、リフォームを不動産価格に反映するしくみも十分ではありません。

  • 礼金

    礼金とは、入居者・借主が所有者・貸主に対して賃貸借契約を締結してくれたお礼として支払ったものであります。地域的な商慣習などがあります。東京などの関東周辺では、通常賃料(家賃)の2ヶ月分という事が多いが、大阪などの関西周辺では、昨今、住居系のマンションなどには礼金という商慣習が増えてきましたが、貸事務所・貸ビルなどの事業用物件に対しては、未だ、礼金という商慣習が少ないです。(保証金と解約引という商慣習が一般的です。)尚、礼金の特性としては、賃貸借契約の終了後、いかなる場合でも返金されない事が通例です。

  • 連帯保証人

    保証人(債務者が債務を履行しない場合に、その債務を債務者に代わって履行する義務を負う人)のうち、債務者とまったく同じ義務を負う保証人の事を言います。

    通常の保証人には、催告の抗弁権(債務の履行を請求されたときに、まず主たる債務者に催告をなすべき旨を請求する権利)及び検索の抗弁権(債務者の財産について執行するまで自己の保証債務の履行を拒むことができる権利)を認められますが、連帯保証人にはこれらの権利がありません。よって、債権者はスグに連帯保証人の財産対して執行することができます。建物賃貸借における連帯保証人の立ち位置としては、借主と同等の責任を伴うという認識をする事になります。

    しかしながら、人的担保は、保証人に予期しない負担を負わせ、大きな被害を与える可能性があります。

    そこで、民法改正(施行は2020年4月1日から)によって、保証人の保護を強化する為、次の規定が定められました。

    1)個人の保証人については、保証契約時に債務額が確定しない保証(信用保証、身元保証、賃貸借上げ保証など)の場合にはその限度額を定めなければならず、その額を限度に履行責任を負うこと(限度額を定めなければ保証契約は無効となる)

    2)事業用の融資に係る経営者以外の保証人については、公証人による意思確認手続が必要であること

    3)保証人に対し、主たる債務者の財産等の状況(事業用の融資に係る場合)、主たる債務の履行状況及び期限の利益の喪失に関する情報を提供すべきこと

    【法務省:民法改正】

    http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html

  • 路線価

    宅地の価額が概ね同一と認められる宅地が面している路線(公衆が通行する道路)について、その路線に面する宅地の1㎡当たりの価額を表示したものを「路線価」と言います。

    宅地価格水準が基本的にはその宅地が面する道路によって決定されるという発想に基づいて、宅地価格水準を道路毎に表示したものと考えます。

    公的な土地評価では、相続財産評価および固定資産税評価においてこの路線価が使用されております。

    相続財産評価では市街地の宅地については路線毎に「路線価」を定め、この路線価を基準として各種の補正率を適用し、宅地の財産評価を行ないます。

    この相続財産評価の路線価は、地価公示価格・売買実例価額(実勢価格)・鑑定評価額・精通者意見価格などを参考として各国税局の局長が評定します。評定の基礎となる「標準宅地」としては全国で約40万地点が定められており、この相続財産評価の路線価は、毎年1月1日を評価時点として評定され、毎年8月上旬に一般に公開されます。

    この路線価も地価公示価格と同様に、実際の土地建物取引時の価格(実勢価格)とは大いに異なる事がありますので、一つの指標数値として取り扱う事になります。

    【財産評価基準書 路線価図:国税庁】

    http://www.rosenka.nta.go.jp/

  • ロックウール

    岩綿のことです。断熱・保温・耐火性に優れています。

    石綿(アスベスト)の原料となる蛇紋石・角閃石などは、石自体が繊維状に細分されるのに対し、岩綿の原料である安山岩などは高温で溶かし、圧縮した空気や高圧蒸気を吹き付けて繊維状にします。

    鉄骨造の鉄骨に対する耐火被覆などにも利用されてます。

  • ロフト

    次のような3つの意味があります。

    1.屋根裏の空間を利用して造られた部屋

    2.床から天井までの高さが大きい部屋において、天井近くに設置された物置等に利用できる空間

    3.1つの住戸内において、2つの部屋が上下に連続した形で造られている時の上部の部屋

    尚、ロフトの定義があります。

    ①ロフトへ上がる階段が固定されていないこと

    ②ロフト区画の天井高の最も高い部分が1,400㎜以下であること

    ③ロフトの床面積が、ロフトのあるフロアの床面積の半分であること

    以上をクリアする事によって、ロフトとして認められる事で得られるメリットは、固定資産税などがあります。

    ロフトは法定床面積に含まれませんので、固定資産税の課税対象面積に含まれないという事になります。

    実際に使用できる実効面積の割に多少固定資産税額に影響を与えるという事になります。

わ行