室内換気

2021年4月2日

間違った換気方法

昨年から始まっている新型コロナウイルスに対する対抗策の一つである『換気』の重要性ですが、

間違った換気方法を行っていることで、換気しているようで、全く換気になっていないケースが垣間見れます。

正しい知識と換気方法を行うことで、コロナウィルスなどの空気汚染から対処しましょう。

特に間違った換気方法を行っているケースとしては、ただ単にドアを開ける…窓を開ける…というようなことを行っているケースです。

多少の換気は行われているかとは思いますが、室内の換気としては全くベストではありません。

その結果というわけではありませんが、大阪府では、まん延防止措置の一環として、CO2センサーなるものの設置することを義務付ける動きがあります。

おそらく、このセンサー設置の意図するところは、室内におけるCO2濃度(二酸化炭素)が濃くなると換気することを促すためモノだと思われますが、

換気方法を知らないままだと、このCO2濃度は簡単に下がらないことになるケースもあるかと思います。

CO2濃度(二酸化炭素濃度)

そもそもCO2濃度は、室内の空気の汚れを測定するために、一般的に調べられる数値です。

CO2そのものは、無味無臭で高濃度にならない限り人体に影響・有害にはなりませんが、空気中にCO2の量が増えれば、

それに応じて水蒸気・臭気なども増加し、空気の質が悪くなります。

それゆえに、空気の汚染の指標とされるのです。

そもそもですが、室内のCO2濃度の許容量は、【1,000ppm以下】と定められているのです。

よって、CO2センサーを使用する場合は、その数値に近くなると空気の汚染が進行していることになりますので、

この数値が低くなるように、室内換気を行わなければならないのです。

換気方法の種類

換気方法には、自然換気と機械換気に大きく分けられますが、大選定として理解しておく必要があるのが、

換気には空気の入口である【給気口】と空気の出口である【排気口】が必要なのです。

更に、この【給気口】と【排気口】の位置が近い場合は、下記の様々な換気方法を行ったとしても、

換気効果は非常に小さいものになりますので、【給気口】と【排気口】については、室内の出来るだけ離れた位置関係が必要となります。

自然換気

前述した通り、ドアを開けたり、窓を開けたりして行う換気方法の一つですが、それだけでは正しい換気にはなりません。

特に窓を一つ開けただけでは、全く換気にはなりません。

ただ単に、給気口を開けただけで、室内の空気が出ていく排気口が無ければ、空気は全く循環しませんので換気にならないのです。

自然換気を行うには、必ず【給気口】となる空気の入口と、【排気口】となる空気の出口の二つを開放する必要があるのです。

その2ヶ所があることで、初めて自然換気が行われることになり、風力による換気・温度差による換気が発生します。

しかし、この換気方法についても、更に注意が必要です。

風力による換気を行う場合は、【給気口】と【排気口】の面積によりますので、あまりに小さいと換気効果は少なくなります。

温度差による換気を行う場合は、【給気口】と【排気口】の位置関係が室内の水平に当たる位置関係だと

中性帯という空気の流れが発生しない現象が起こりうるため、【給気口】は室内の低い位置にして、

【排気口】は室内の高い位置にしなければなりません。

理由は、冷たい空気=重い外気は、下方から室内に進入します。暖かい空気=軽い室内空気は、上方から室外に流れ出るからです。

一般的な建物では、そもそも換気を考えられて建築されているので、それほど気にしなくても良いのですが、

室内の使用者の利用方法次第では換気効果が発生しない可能性もあるので、非常に注意が必要です。

機械換気

キッチンコンロ付近や浴室内などにある換気扇を使用する換気方法ですが、その機械換気には、3種類の方法があります。

①第1種換気(機械給気+機械排気)

給気口・排気口共に送風機などのファンによって換気を行う方法です。

主に映画館や劇場などの商業施設に利用されます。

②第2種換気(機械給気+自然排気)

給気ファンによって、外気を室内に流入する方法です。

主に研究所などのクリーンルームなどに使用される方法ですので、あまり一般的にはお目にかかることはありません。

③第3種換気(自然吸気+機械排気)

室内空気を排気ファンによって排出し、自然給気口から外気を室内に供給する方法です。

これが、私を含める一般人が、良く目にする方法です。

例えば、便所、浴室、キッチンなどにある換気方法です。

簡単かつベストな換気方法

一番簡単な換気方法は、室内の換気扇から一番離れた位置にある窓を開けて、換気扇を作動させるという方法です。

換気扇の位置は基本的に室内の高い位置にありますし、換気扇から一番離れた位置にある窓であれば、室内の空気を一番循環させることが出来るからです。

昨今は、新型コロナウイルスの発生源が飲食店での会食だと言われ続けていますが、

おそらく飲食店では、料理をしている間は常に換気扇を稼働させていることだと思いますので、換気は行われ続けているものだと思います。

どちらかと言えば、常に換気扇などを稼働させていない場所での換気方法が一番注意しなくてはならないのかと思います。