準工業・工業地域における物件
2021年6月4日
準工業地域・工業地域などについて
準工業地域や工業地域の認識等の説明を行います。
まず、不動産や建築関係に関わらない限り、この用途地域というものを、人生の中で知り得ることが無いかもしれない情報だと思います。
※筆者は30歳で転職し、現在約14年が経過しましたが、転職時には全く聞きなじみの無い言葉でした。
※不動産・建築業に関わっていたり、店舗・工場の出店に関わる方しか、なじみの無い言葉と知識かもしれません。
まずは、準工業地域と工業地域がどのような場所・地域であるのかを説明致しますが、その前に大阪府内における準工業地域と工業地域等の簡易マップをご覧ください。
上記、地図上のグレー色になっている地域が、準工業・工業地域である簡易マップです。
ご覧いただいた通り、良くも悪くも、ものすごく限られた地域になっています。
準工業地域
準工業地域は、端的に説明すると『住居』と『工場・作業場』の混在した地域であり、どちらかというと『工場・作業場』寄りな地域という認識で問題無いかと思います。Wikipediaにも下記のように説明されています。
準工業地域(じゅんこうぎょうちいき)は、都市計画法による用途地域の一つで、主に環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域である。住宅や商店など多様な用途の建物が建てられる用途地域であり、土地利用の選択肢が多い反面、しばしば住宅と工場・遊戯施設などが混在し、騒音などのトラブルが起こりがちでもある。
引用 準工業地域 wikipedia
当社が取り扱うような『貸倉庫』『貸工場』などが存在する地域としてメインになる用途地域です。
近隣の住環境による点はありますが、ある程度、作業場・工場として利用しても良いという行政からの都市計画法に基づいた設定地域となります。
主に、建蔽率60%、容積率200%で設定されることの多い地域です。
この建蔽率、容積率というのは、土地に対してどのような建物面積が建築できるのか?というものになりますが、今回の準工業地域の説明とは少し焦点がズレますので、別途説明致します。
工業地域
工業地域は、準工業地域より更に工場的要素が高くなりますので、住宅も建築することはできますが、各段に少なくなる地域であり、『倉庫』『工場』が多くなります。
特に、工業地域では、都市計画法に則り定められた地域ですので、モノづくりなどを行う工場が多いです。そうすると必然的に騒音やニオイなどが主に発生しても住民とのトラブルになりにくい地域という事です。
工業地域(こうぎょうちいき)は、都市計画法による用途地域の一つで、主に工業の業務の利便の増進を図る地域である。住宅は建てることができるが、どんな工場でも建てられるため住むには適さない。
工業地域 (用途地域) – Wikipedia
準工業地域と工業地域のメリット
準工業地域と工業地域のメリットは、前述もしましたが、都市計画法に基づいて『貸倉庫』『貸工場』が多いエリアとなり、住居が少ない地域になりますので、業務作業に伴う音やニオイなどで近隣住民に迷惑をかけるようなトラブルに発展しにくいという傾向があります。
(準工業地域や工業地域にも、各所の地域性がある為、一概に同じ傾向というわけではありません)
準工業地域と工業地域のデメリット
準工業地域と工業地域のデメリットとして、最大の要因は、最寄駅などから必ず遠くなるという点です。これも地域性が多少はありますが、概ね駅からは遠くなります。
理由は明確です。
都市計画法に基づき、住環境の良い場所である最寄駅周辺から遠ざける事で、音・ニオイを含む作業が行いやすくする為です。
まとめ
お客様のご希望・ご要望については痛いほどわかるのですが、当社として非常に難しい案件となるケースは、この準工業地域・工業地域でしか業務を行なえないにも関わらず、最寄駅から徒歩圏の物件をご所望される事です。
絶対にそのような物件が無い…とは言い切れませんが、非常にレアなケースとなります。
経験則になりますが、準工業地域などの場合は、最寄駅まで概ね徒歩20分…という距離感ぐらいになります。