事業用定期借地権
2021年1月6日
事業用定期借地とは
定期借地権の一つで、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とするものを言います。
昔、事業用定期借地契約の契約期間は10年以上20年以下とされていましたが、借地借家法の改正により、2008年1月1日以降は、10年以上50年未満に改められました。
事業用定期借地権は、原則として契約の更新(存続期間の更新)を行なわない、契約終了時に建物買取請求権が発生しない、建物再築による存続期間の延長がないことを特約した借地権の設定契約(事業用借地権設定契約)によって発生するものであり、この場合、契約期間が10年以上30年未満の場合には必ずこの特約が必要である一方、契約期間が30年以上50年未満の場合は特約するかどうかは任意とされます。
尚、この事業用定期借地契約は「公正証書」による契約締結が必須です。
どのような案件が対象?
では、どのように案件が対象になるのでしょうか。
主に、借主負担で借主の希望する建物を建築したい場合(フリースタンディング方式)などが考えられます。
例えば、コンビニエンスストアなどのロードサイド物件や、特殊専門性のある工場や研究所、本社ビルなどが該当するケースが多いです。
【所有者・貸主メリット】
基本的に土地貸となる為、賃料収入が多くはないですが、建物を建築する費用が入居者・借主になりますので、投資費用が掛かりません。尚、設定された期間を満了すると、借主にて建築された建物を解体して土地を返却してもらう事になります。
以上のように、所有者と貸主にとってのメリットは、≪リスクが非常に少ない≫というのが最大のメリットでありますが、長期にわたる契約期間になり得ますので、所有者や貸主が交代する(世代交代・相続、売却など)の時に注意が必要です。
【入居者・借主メリット】
土地の購入を行なわずに、希望する内容の建物を建築する事が出来ます。
土地自体は、事業用定期借地として賃貸しますが、建物は入居者・借主の費用負担によって建築され、所有権も入居者・借主にある事になります。